形鋼とは?特徴や種類・用途などの基礎知識を徹底解説
形鋼(かたこう)とは、H形や山形、I形など様々な種類がある鋼材の総称です。
断面が名前の通りに成形されたものが多く、名前から形状を想像しやすくなっています。様々な形状の鋼材は用途によって使い分けられます。
1.形鋼とは?
形鋼は大きく2種類に分けることができます。熱間での圧延により作られる重量形鋼と、冷間で薄い鋼板(板厚6㎜以下)を折り曲げて作られる軽量形鋼です。
単に形鋼と言った場合は、重量形鋼を指す場合が多く、土木や建築用の柱や梁などの主要な構造材として用いられます。
対して軽量形鋼は屋根や壁の下地材(母屋・胴縁)などに用いられます。
2.形鋼の種類と特徴
重量形鋼の代表的な種類として、H形、I形、山形、溝形、Z形等があり、部位によって板厚が異なります。
I形鋼や溝形鋼のフランジ部の厚さは一定ではなく、断面内側が、内から外に向けて先細りになるように(勾配をつけて)成形されています。
また、外側の角はエッジがきいていますが、内側の角には丸み(アール)がつけられています。
軽量形鋼の代表的な種類としては、山形、溝形、Z形、ハット形等があり、部位に関わらず板厚は一定です。折り曲げて作られているのでコーナー部にはアールがついています。
3.H形鋼の特徴と用途
H形鋼は断面が「H」の形をしている鋼材で、最もポピュラーな形鋼です。略されてH鋼とも呼ばれており、「形鋼の相場」は、H鋼の価格を基準としています。
H鋼は曲げに対する強度に優れており、比較的安価であるため様々な場面に用いられます。
主な用途は、建物や橋梁、高速道路や船舶などの構造材用または基礎杭用として用いられます。その他、多岐にわたって活躍してくれます。
4.山形鋼の特徴と用途
5.溝形鋼の特徴と用途
6.Z形鋼の特徴と用途
Z形鋼は断面が「Z」の形に近い鋼材で、かつては乙形鋼とも呼ばれていました。
比較的厚さが薄くてもZ形状の横方向の曲げに対して強い形状をしています。
形状が特殊であるためか、使用されることは比較的少なく、なかなかお目にかかれません。ジョイント部分の補強や段違いになっている箇所のステーとしてなど、人知れず活躍しています。
7.I形鋼の特徴と用途
I形鋼は断面が「I」の形をしており、I型ジョイスト、アイビームとも呼ばれます。
断面がH形鋼と似ていますが、フランジ内側にテーパーがつけてあり一目で見分けることができます。
H鋼と形状が似ていますが、同サイズのH鋼と比べると肉厚で重量が大きく剛性も優れています。
建築や橋梁、機械、車輛などにも用いられますが、主に活躍してくれる場所はホイストクレーンの走行用レールです。形状は似ていますが、H形鋼はホイストレールとしては使われません。
8.CT形鋼の特徴と用途
CT形鋼は断面が「T」の形をしており、T形鋼とも呼ばれます。H鋼のウェブを2つに切断して作られるため、カットティーとも呼ばれます。
断面性能に優れていないため、力がかかる方向に注意して使用する必要があります。
断面性能が小さいので柱や梁に使われることはなく、下地材や簡単な骨組みに使用されます。
まとめ
形鋼についてまとめると、以下がポイントです。
・形鋼は名前から形状を想像しやすくなっている。重量形鋼と軽量形鋼がある。
・H形鋼は曲げに対する強度に優れた鋼材。形鋼の中でもポピュラーで比較的安価である。
・山形鋼は「等辺山形鋼」「不等辺山形鋼」「不等辺不等厚山形鋼」の3種類がある。
・溝形鋼は曲げに対する強度に優れ、施工性の高い鋼材。
・I形鋼は同サイズのH形鋼と比べると肉厚で重く、剛性も優れている。
・CT形鋼はH形鋼をカットした鋼材。力がかかる方向に注意して使用する必要がある。
各種形鋼の特性を理解して、材料選定をしていきましょう。
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